2017年度派遣ALT*柿坂知美*

こんにちは。日本では新年度を迎え、桜が咲き、寒さの残るなかあたたかい風が吹く春が訪れている頃でしょうか。こちらオーストラリアではdaylight savingが行われ、到着した頃より2時間ほど夜を迎える時間がはやくなり、朝晩はできるだけ長くふとんにくるまっていたい秋となりました。

ふと気がつくとTerm1はあっという間に過ぎ去っていて、わたしのオーストラリア生活も3か月目に差しかかろうとしています。

 Term1というたった10週間の期間のうち大部分を占める3月、わたしにとっての大きな壁は英語でした。

これまで参加していた授業は日本語や日本について、先生方との会話にもなにかしら日本が登場するといった生活でした。が、3月はYear7のキャンプ、Victoria Marketへの遠足、House Athletics Sports(運動会のような陸上競技のスポーツ大会)、もうひとつの第二言語・ドイツ語の授業への参加など新しい体験をさせていただきました。そこで必要となったものは英語でした。

もちろんこれまでの生活も英語を話してきましたが、子どもたちや先生たちが何気なく話していること、話しかけても返ってきたことがわからない。日本の学校のように厳格な団体行動をとることもなければ、スケジュールも臨機応変に決定・変更が行われる。すべてにとまどいを感じ、「わたしはいまオーストラリアという国の生活をしている」ということに改めて気づきました。そんな中でも、わたしがなんとか伝えようとすることにじっくり目と耳を傾けてくれたり、話しかけてくれたりと、人の温かさに何度も助けられました。

 一方、わたしの自己紹介から始まった日本語の授業も、それぞれの学年に合わせた内容へと本格化してきました。Year7や8のクラスでは、新しく学習するひらがなやカタカナといった「線のイラスト」に対して、楽しそうに何度も何度もノートに書き連ねる子もいれば、おもしろくなさそうにそのイラストとにらめっこしてはノートを閉じてしまう子もいました。そんな子どもたちに対して、英語という見えない壁を作ってしまって、なかなか距離を縮められずにいました。

けれど、なんとか顔と名前を一致させて名前を呼び話しかけたり、ふとしたきっかけで子どもたちの好きなものや興味のあることについて話したりと、お互いがうれしい楽しいと思える時間を共有することで、わたしの名前を覚えてくれたり、日本に対して興味を覚えてくれたり、さらには「次のタームも来てくれるよね?」と言ってくれたりなどできるようになりました。

少しずつではあるけれど、生活を楽しめるようになってきました。そこでようやく必要だったものは言葉ではなく気持ちだと気づくことができたのです。

 すぐに日々の生活リズムには慣れたといっても、オーストラリアの生活に馴染むことには時間を費やしてしまったTerm1ではありましたが、わたしなりにこれからの目標や子どもたちにできることを見出すことができたのではないかと思います。Term1を終えて迎えた初めてのホリデーでもしっかりトラブルばかりでさまざまな人に助けてもらってばかりの日々でしたが…来週から始まるTerm2もこれまで以上に楽しんで頑張りたいと思います!(2017/3/18)